朝はご飯にお味噌汁。玉子焼きに焼き魚。
そうそう、牛乳も忘れずにね。


















「こんなもんでいいかな。」

テーブルに並べられた朝ご飯を見て「よし!」とエプロンを外す。
この家の末っ子、帝人の次の仕事は2人の兄たちを起こすこと。
なるべく音をたてないように階段を上り帝人が目指すのは次男、幽の部屋。

「幽にぃ!朝だよ〜。今日も撮影なんでしょう!」

整った顔の次兄、幽は寝ている時も綺麗だ。
すぅ、と聞こえてくる寝息にもっと寝かせてあげたいとも思うが、心を鬼にして幽の体を揺らす。
すると、ほどなくして徐に閉じられた瞳が開いた。

「……おはよ、帝人。」
「おはよう、幽にぃ。朝ご飯出来てるから顔洗って先食べてて。マネージャーさんを困らせないようにしてください。僕は静にぃ起こしてきますから。」

幽がこくん、と頷いたのを確認して帝人は次に長兄の部屋へと向かう。
隣に位置する長兄の部屋の扉を開けて中に入ると熟睡している姿が。
同じようにその体躯を揺らすとぼんやり開いた瞳に帝人の姿が映る。

「ん…みかど…」
「おはよ、静にぃ。」
「はよ。あ〜、今何時だ…」
「7時過ぎ。僕も幽にぃも出かけるから戸締りよろしく。朝ご飯は下、お皿はいつものようにお願いしますね。」
「お〜…」
「静にぃも仕事頑張って。怪我も程ほどに!」

低血圧な静雄はいつもこうなので帝人は静かに扉を閉めて階下のリビングに降りた。
そこには既に着替えを済ませ、テーブルにつく幽の姿が。

「幽にぃ、先に食べててよかったのに。」
「ダメ。朝は一緒に、ね。」

そんな幽に帝人は笑顔をみせて、席に着く。

「じゃあ、」
「うん。」







「「いただきます。」」








(幽にぃ、今日の夕飯は?)
(収録が夜までかかりそうだから、先に兄さんと食べてて。)
(…うん。)
(これが終わったら休みとれそうなんだ。そしたら3人でどっかいこうか。)
(本当!?)
(…もう、可愛いなぁ…)


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